あまりにも寮長がゆっくり話すので日が傾いてしまった。ここで五人は気付いた。全員道に迷っている。いったいどうやって帰るのか?塊が毒キノコ採集に飽きてきた頃、あのいや~な声が聞こえてきた。
「お~い!さくらんぼ寮の寮長ーー!」
「名前、覚えて、ない。最低だ」
「それより、私達の名前呼んでないんだけど」
「わざとじゃねぇのか?」
「きゃー。ひどいー」
「みんな、とにかく声のする方に行ってみましょう?」
全員しぶしぶ賛成。
*
「おぉー!寮長!無事だったか!」
「心配おかけしてすみませんでした。少し迷ってですね?」
「ん~!なぜ君が迷ったかは残念ながら、私にも分からないな!」
と、この様に寮長は質問と勘違いされるわけだ。特にこの人に。
「秋吉」
「心配したのー、寮長だけー?」
「も、もちろん君達の事も心配したとも!」
「それ嘘だぜ。俺達が吉田達を捜しに行った方がいいんじゃないって言ったけど、大丈夫だとか言って捜しに行かなかったんだぜ?呼ぶのも寮長の事だけだったし」
「おい!そこの君!言って良い事と悪い事があるとは思わないのかね!君の平常点下げるぞ!」
「え!?」
やはり今回の一番の被害者は彼のようだ。
*
帰りは迷わずに帰ることができた。
瑛は疲れ果てて帰ったらすぐに寝た。
京は遠足での瑛の写真(隠し撮り)を微笑みながら見ている。
塊は採集した毒キノコを種類別に分けている。
嵐は日記をせっせと書いている。
道に迷ってばかりだったが、それなりに楽しい遠足になったようだ。
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