メロディー♪ ~春風学園の謎の転校生~ 6

 

なんだかんだあって学園祭の日。
結局、今日までマイケルはお凛を帰す魔方陣を調べる事をおろそかに、劇を成功させる事に燃えていた。
マイケルとお凛は公演が午後からなので、午前中は二人で学園内を回る事にした。まず行ったのは瑛達のクラス。メイド喫茶ということだが、果たして成功しているのか・・・。
「おじゃましまーす」
「納得いかねぇ」
二人が教室に入ると、イライラしている京がドアの横にいた。
「京ちゃん・・・、かわいい・・・」
「女装似合うね!」
「嬉しくねぇよ」
二人に声をかけられて更に暗くなった彼は、メイドの姿をしていた。
「京ー!五番テーブルお願ーい!」
「急いでー」
「だいたい・・・だいたい、お前らが原因だ!なんで俺がメイドなんだ!」
本当は普通に女子がメイドで男子がウエイトレスだったのだが、双子の策略で女子がウエイトレスで男子がメイドをする事になった。
当然、京は反対したのだが瑛が弱点だと知っている双子は「京、メイド、見たい。ウエイトレス、したい」と瑛に言わせて、無理やり納得させたのだ。
「まぁまぁ。似合ってるからいいじゃん」
「お、おい、お凛。褒めてるつもりかもしれないが、やめといた方がいいぞ」
そう言う肇は弱そうな雰囲気だからか、メイド姿に違和感がない。
「五番、テーブル」
「・・・分かったよ」
瑛に言われて渋々と接客に向かう彼だった。
平然とメイドをしている塊はおっとりした雰囲気が大和撫子のような感じをかもしだしていた。
「こうして見てみると、京くんと塊くんと嵐ちゃんって美形なんだね」
「お、俺は?」
「う~ん、普通」
「あっ、普通。普通ね、普通。普通か・・・」
納得したような落ち込んだような感じで仕事に戻っていく彼だった。
「悪い事言っちゃった?」
「そんな事ないよ・・・。ふふふふふふ・・・」
 
 
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