翌日。
「萌が俺に会いに来るなんて珍しいな!何?彼女になる気になった?」
「なわけないでしょ!」
「怒った顔も可愛いよ」
萌の肩に手を置こうとする。
「触らないでください」
「おぉ~!千鶴久しぶりだな!今日はボディガード付きか。残念♪」
「本題に入るけど、部室が移動になった事は知ってるでしょ?」
「当然♪」
「演劇部の部室が確保してなくて、すごい困ってるんだけど」
「あぁ~、やっぱりな。あの顧問ならそうなると思った」
「このままだと廃部になりますよ」
「部室のない部活なんてなぁ」
「何とかできない?」
「そうだなぁ・・・」
しばらく考える。どうやらちゃんと考えてくれているようだ。
「生徒が教師に対抗できるのは署名ぐらいだ」
「署名は無理だと思う」
「あぁ。だろうな。そこで、だ。部活主任と話してみろよ」
「部活主任?」
「加藤先生だ。俺の名前だしてみろ。何とかなるはずだぜ」
「一輝~!そんな女と話してないでこっち来なよ~!」
「すぐ行く!じゃあな。頑張れよ♪」
そう言うと呼んでいた女子の元へ歩いて行った。
「部長、ホストみたいですね」
「今さらでしょ」
放課後。女ったらし部長の助言通り加藤先生の所へ行く事にした。内心信じていいものか怪しんでいるが、他に方法はないし一応部長の言う事だし行くだけ行ってみる。
「演劇部の福山萌です。加藤先生はいらっしゃいますか?」
「俺に用?どうぞ」
「失礼します」
「どうした?」
加藤先生に初めて会うが、いい人そうだ。意外だったのは若いことだった。どうみても新米教師に見える。
「演劇部の部室の件なんですが」
「部室?場所変えたいの?」
「いえ・・・、変える変えない以前に確保されてないんです」
「え!?」
予想外の答えだったようだ。相当驚いている。
「ちょっ、ちょっと待って!」
引き出しを開けてガサガサと何か探している。取り出したのはどうやら部室の配分表らしい。
「ほ、ホントだ。そっかぁ。う~ん・・・どうしよう」
「部長が加藤先生に相談すれば何とかしてくれると言っていたんですが」
「部長?誰?」
「宮野一輝です」
「宮野君が部長なの!?」
「は、はい」
あまりの驚きようにこっちも驚いた。
「宮野君が部長なんだぁ。そうだなぁ、宮野君の頼みなら何とかしないとなぁ」
いったいどんな関係?
「分かった!他の部活の先生方とも話して確保するようにするよ!」
「本当ですか!?」
「うん、本当。俺に任せて。でも今すぐってわけにはいかないから・・・一週間もらえるかな」
「はい!」
「うん。いい返事。一週間後にまた俺のところに来て。それまでは今の部室で我慢してね」
「ありがとうございます!」
「すごーい!確保できたんですね!」
「やっぱスゲェなあいつ・・・」
「ほっとしたぁ」
力が抜けたように椅子に座る。
「よし、練習でもしようか」
「そうですね!」
「どこからですか?」
「ん~、確か『何よこの女!』からじゃなかったかな?」
「分かりました!」
千鶴の前に萌と晴香が立つ。
「何よこの女!浮気してたの!?」
晴香が彼女役。
「はぁ!?あんたが浮気相手でしょ!」
萌は彼女パート2。
「二人トモ落チ着ツイテクレヨ」
彼氏役の千鶴。
「彼女二人!もっと睨め合え!」
ススムが演出。誰も頼んでない。
「私の武をたぶらかすなんて!このトラブルメーカー!」
「泥棒猫」
「あっ、そうだ。この泥棒キャット!」
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