メロディー♪ ~春風学園の遠足~ 6

 

ひたすら走った四人は疲れていた。
「こ、この辺なら、げほっ、大丈夫、だろ」
「そ、そう、けほっ、だね」
「んー。んー?んー」
「幽霊、か・・・」
「忘れよう!ね!忘れよう!そして早く帰ろう!」
「そうだな!早く帰って忘れよう!な!」
「それとも、おばけ、か・・・」
せっかく珍しく京と嵐が意気投合していたのに瑛が水を注した。だが、瑛よりも水を注したのがいた。塊だ。
「ねーねー、あそこー」
「もう何!」
嵐が振り向くと信じられないものが目に入ってきた。
「ぎゃーーーーー!」
目の前には先ほどの幽霊が。しかも、にやりと笑っている。かなり不気味だ。嵐は叫びながら走って行った。京は放心している。瑛は興味津々らしく、キラキラと目を輝かせている。塊は・・・
「どうしたんですかー?寮長ー」
幽霊の正体を見破っていた。
寮長とはその名の通り四人が住んでる寮『さくらんぼ寮』の寮長である。寮長は人が良く、半笑いで話す。そして、話し方は疑問形が多い。教師に意見を言っただけなのに質問だと思われる事が多々ある。全校生徒に慕われていて、悪い評判は聞かない。
唯一つ問題なのは、ゆら~っと動くので幽霊と見間違える。おまけに制服は白に水色の線が引いてあるデザイン。学校の七不思議の内、五つは寮長の事だという噂もある。
 
瑛はがっかりしながら放心している京を揺さぶり、現実に戻してやった。我に返った京は、恥ずかしいのか顔を赤くしながら寮長に質問した。
「な、何で寮長がこんなとこにいるんだよ!」
「それがね、話すと長いのよ~。あなた達が森へ入った後、私も入ったんだけどね?そしたら、やっぱり森といったらツチノコだと思ってね?ツチノコを探し始めたの。探している内に、なんと、矢印を見つけたの!」
「あー、僕が書いたやつー」
「あ、そうだったの~?とにかく、私はその矢印通りに進んだのね?そしたら途中で途切れてるじゃない!もう、焦っちゃってね?」
「すみませんー。双子のうるさい人に止められたんですー」
「あぁ、あの子ね~?あなた達四人ともいつも仲良さそうで羨ましいわ~」
「話、途中」
「あぁ、ごめんね?そして・・・えっと?」
「矢印、進んだ、焦った」
「そうそう。焦ってね?ないものはしょうがないか、と思ってツチノコ探しに集中する事にしたのね?そして何か話し声がするな~っと思って振り返ったらあなた達がいた、というわけ」
「俺達は森の奥に逃げたはずだ」
「どうやってー、奥に瞬間移動したんですかー?」
「私はずっとここにいたわよ?多分、そっちが」
寮長が言いかけた時、誰かが走ってきた。
「いっ!いつの間に先回りしたの!?」
そう。来たのは叫びながら走って行った嵐だ。
「と、いうわけ。迷ってたんじゃないかしら?」
「えぇー。瞬間移動じゃないのー?」
「塊なら、分かる。普通、無理」
後から来た嵐が理解していないようだったので、寮長が説明して理解してもらった。

 

                                      次へ