メロディー♪ ~春風学園の七不思議~ 6

 

だいたい情報が集まったので、ひとまず寮に帰った。
「ねぇ、みんなそんなに暗くならないでよ~」
「だって・・・」
「まだ理由はっきり分かってないしさ!」
「それもそうだねー」
「気楽、する」
「瑛がそうするなら俺もそうする」
前向きな考えに変わったと思ったら、光が大きな欠伸をした。
「あぁ~もうそろそろ限界みたい・・・」
「消えちゃうのー?」
「満月の日じゃないから・・・疲れ・・・」
彼女は見えなくなってしまった。満月じゃない日は姿を現すと疲れるみたいだ。
「とにかく、明日も調査するしかないね」
Zzzzz・・・」
時刻は九時を過ぎていた。
          *
翌日。放課後に五人はとりあえず学校を探索する事にした。ぶらぶらとしていたら、かつて光がつかっていた教室を見つけた。
「何か、思い出す、ない?」
「・・・っ!」
光が頭を抱えて痛そうにしだした。
「ぅわ・・・あ・・・くっ・・・うぅ」
「ちょっと!」
「これは、やばい」
「おい!」
「あわー、どうしようー」
「うわ・・・ああああああ!!」
叫んだと思ったらか、ふっと彼女は消えてしまった。これはどういうことだろう。教室がきっかけで何か思い出したのだろうか。それとも成仏したのだろうか。後者だとしたら、成仏する時とはあんなに苦しむものなのだろうか。
瑛達は光が消えた後、屋上、図書館、さまざまな場所を探してみた。学園の敷地内であと捜してない場所は学生寮しかない。望みは薄いが行ってみる事にした。
「ここも、いない」
探してはみたものの、どこにもいなかった。その時、白い物体が廊下の奥から近づいて来た。
「あら?こんな廊下の真ん中でどうしたの?」
「あ、いや、ちょっと・・・」
「捜し物してるのー」
「そう?今日は満月だから夜までかかっても明るいわね?」
「満月、だと?」
三日前に満月になったばかりだ。あまりにも早すぎる。
「この前満月だったのに、また満月なのか?」
「詳しくは分からないけれど、信じられませんって専門科の人達がテレビで言ってたわよ?」

奇跡としか言いようがなかった。現実的に考えればあり得ない事だ。とにかく、今日が満月だとしたら夜の屋上に行けば光がいるかも知れない。

 

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