「ヤンキー、違う。イケメン」
「そこなんだ・・・。ふふふ・・・。やっぱり君は面白いね・・・」
彼女の問題発言に「イケメンって意味分かってる?」など「もしかして視力悪かったー?」などと心配をしだす双子。
「京ちゃんの心はガラスのようにもろく・・・、宝石のように輝いているんだよ・・・。そんな京ちゃんの心を傷つけるような事を言っちゃうんだね・・・。そうなんだ・・・。ふふふふ・・・」
「ちょっと言ってみただけだって!だから笑いながら何かメモらないで~!」
あたふたし始めた彼女。共犯者の塊は知らん顔で瑛とにらめっこをし始めた。そんな双子の兄を見て、彼女は自分に瓜二つの顔に蹴りを入れた。が、塊は上手く避けて彼女の足は壁へ。壁はへこんでしまった。
「ふふ・・・、その反応じゃ噂の事知らなかったみたいだね・・・。ちょうどいいや・・・」
「何がだ?」
「この噂にはね・・・、まだ裏がありそうなんだ・・・。だから・・・、調べてくれないかい・・・?」
「いいぞ」
「ちょっと!なに軽くOKしてんのよ!」
「マイケルー、自分で調べないのー?」
「ふふふふふふ・・・。こういう事は実際に体験しないと意味がないんだよ・・・!ふふ・・・。手始めに僕の魔術でも受けてみる・・・?」
「何でよ!」
「魔術ー、だめー」
「俺も魔術はやめとく」
「魔術、面白そう」
「ふふふふふふ・・・。瑛さん・・・、見込みありだね・・・」
「噂、体験、楽しみ」
「忘れてた!瑛は調べるの好きだったんだ!」
【瑛がやりたがる=京が張り切る=双子の兄が遊び半分で付いていく=自分もいかざるおえなくなる】彼女の中で【巻き込まれる方程式】ができた。
「逃げられないよ・・・。ふふふふふふ・・・」
*
翌日の放課後。京・塊・嵐の三人は教室の隅にかたまって、何やら相談していた。
「やっぱり、やめようよ」
「けど、瑛がな・・・」
「遠足とか七不思議で怖い目にあったでしょ!もうやだよ!」
「けど、瑛がな・・・」
「京ー、さっきからそればっかりー」
「瑛がじゃなくて、あんた自身はどうなの!」
「俺は瑛がやりたがったらやる」
「なんだそりゃー」
「聞くだけ無駄ね・・・」
「どうするのー?」
「どうするって・・・。逃げるとか?」
トントンと誰かが彼女の肩をつっついた。「今大事な話をしてるの!」と勢いよく振り向いた彼女は、一瞬心臓が止まった。
「逃げられないって言ったでしょ・・・。ふふふふ・・・。あ・・・、でも京ちゃんは逃げてもいいよ・・・」
「それ、ダメ」
大きな袋を重そうに持ってきた瑛が息を整えながら言った。
「みんな、行く」
「えぇーー!」
「わーいー」
「喜ばないでよ!」
「行きたくないならー、寮に一人でいたらー?暗い外を見たらー、何かいたりしてねー?」
ちょっと悪戯っぽく言った彼の言葉に、嵐は「行くに決まってんでしょ~?あー!楽しみだなー!」と、顔を青くしながら言った。
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