メロディー♪ ~春風学園の謎の転校生~ 1

 

前略 瑛
楽しんでるみたいだね。『恋のおまじない』の話だっけ?あー・・・瑛にはまだ早いと思うよ(笑)この前、ポニーテールの女の子に会ったんだ。その子魔術が使えるんだって!すごいよね!こっちにも瞬間移動の魔術で来たって言ってたよ。良い子そうだったし、瑛にも会わせてあげたいなぁ。  草々
*     *
ある日突然、それはやってきた。
「転校生!?」
「隣のクラスに来たらしいよー」
「こんな中途半端な時期にか?」
「学園、七不思議、一つ、追加」
「季節外れの転校生か・・・」
「見てみたいねー」
「別に関係ないだろ」
「転校生、見たい」
「よし、見に行くか」
相変わらず瑛に甘い彼だった。
「瑛と二人で行きたいんだ」「なんで瑛だけなのよ」「どうしてー、どうしてー?」「・・・別に良いだろ!」と塊達と言い争っていて、京は初めていつもの男子生徒がしれっと居る事に気付いた。
「お前いつからいたんだ?」
「ぎゃっ!びっくりした!」
「わぁおー」
「さっきから居たよ!「季節外れの転校生か・・・」って俺が言ったんだぞ!」
どうやらみんな気付いていなかったらしく、そうだったけ?という感じだ。
「ひどい・・・。本田なんかマブダチのくせに・・・シクシク」
「え、マブっ・・・えぇ!?」
「嵐ー、どうどうー」
「私は馬かっ!」
ベシッと塊にチョップ。
「いててー」
「いつ、マブダチ?」
「俺はなった覚えはない」
彼の一言がそうとう効いたのか、男子生徒はとうとう体育座りをしてのの字を書きだした。
「転校生、見る」
「そうだな、行こう」
「どな子だろ?」
「楽しみー」
ウキウキしつつマイケルの教室へ向かう四人。
「つっこんでくれよ!つっこみ担当の中村までシカトって!」
「担当じゃない!」
「おぉ・・・。さすがだな・・・」
まさか廊下からつっこまれるとは思っていなかった彼は驚いた。そして、本当に置いて行かれると気付いたらしく、慌てて四人の後を追った。

    

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