叫びながら京の両肩をガッチリと両手で掴み、俯く。
「お前・・・お前・・・何気に俺の名前覚えてくれてんじゃん!」
ガバッと顔を上げた彼は泣いていた。
「自分で言うよりもお前に言われて良かったよ・・・!でも、ポジションが脇キャラって何だよ・・・。野球でもないぞ、そんなポジション。ま、いいや!お前、良い奴だな!」
「(どうでも)いいから離れろ」
「あっ、ごめん」
そのやりとりを見ていたマイケルがボソッと「強敵だね・・・。でも・・・、僕の方が京ちゃんと仲良いよ・・・」と言っていた事は誰も知らない。
肇がやっと落ち着き、転校生の話に戻る。
「質問ある人・・・」
「はい!」
「嵐さんどうぞ・・・」
「趣味は?」
「読書と音楽観賞とゲームかな?」
「はい」
「瑛さんどうぞ・・・」
「特技、何?」
「んー、ジグソーパズルかなぁ」
「はいー」
「塊くんどうぞ・・・」
「好きな食べ物はー?」
「オムライス!」
「はい!」
「地味で目立たない男子生徒くんどうぞ・・・」
「なんで俺は名前じゃないんだよ!」
「君は僕のライバルだからね・・・」
「なっ!闇内!まさかお前・・・!」
「はいはい。無駄にドラマ風にしなくていいから。質問は?」
「えっと、どこから来たんだ?」
「それは・・・」
黙り込んでしまった。するとマイケルが「みんな・・・、そろそろ帰ろうか・・・。続きは僕の部屋で話そうね・・・」と言ってとりあえず帰ることになった。
*
ひとまず帰った七人はお凛が寮母と寮長にあいさつに行ってくるという事で、残りの六人でマイケルの部屋に集まっていた。
マイケルと肇が京をめぐって言い争いをしていると、あいさつを終えたお凛が部屋に来た。彼女が腰を下ろすとマイケルが話をしだした。
「今から話す事はここだけの秘密だよ・・・」
部屋にはマイケルの謎の鍋のポコポコという音だけが響く。
「実はお凛は僕が召喚したんだ・・・!」
「じゃーん!」
立ち上がり、両手を広げてポーズをとるお凛。それを後ろで支えるマイケル。タイタ●ックみたいな格好で二人は楽しそうだが、見ている五人は唖然としている。
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