劇が終わると会場は拍手に包まれた。
「なんというか・・・」
「すごかったねー」
「結構面白かったな」
「どうでも、いいけど、不法侵入」
「吉田が変なセリフ気に入ってるぞ」
この劇は学園祭で最も話題の出し物になり、今年の【春風大賞】に選ばれた。
そして、マイケルは【助演男優賞】を受賞した。
＊
学園祭を終えて寮に帰ると全員マイケルの部屋に集まった。
「まさかマイケルが美少年だったとはね！」
「そんなことないよ・・・」
「助演男優賞おめでとう」
「ありがとう京ちゃん・・・！」
「すごく面白かったよー」
「ありがとう！」
「もう、一度、見たい」
「そういえば、闇内が衣装用意するって言ってたけど、作ったのか？」
「違うよ・・・。友達に頼んだんだ・・・。合わせてあげるよ・・・」
そう言うとマイケルは部屋を出た。付いて行くと、寮から少し離れた森の中に小屋が見えてきた。
「こんなところに小屋があったのか・・・」
「私も知らなかった・・・」
「森、探検」
「足元気を付けろよ、瑛」
「探検ー♪探検ー♪」
「こんにちは・・・」
マイケルが小屋を開けると、中にはポニーテールの女の子が座っていた。
「ピクルス！」
「あれ？何でここに・・・」
「知りあいー？」
「っていうか、また名前」
「嵐ー、しー」
「実は・・・、お凛さんの世界と繋がる魔方陣を探してたら召喚しちゃったんだ・・・」
「闇内・・・、お前学習しろよ」
「劇の衣装を作ってくれたのはピクルスさんなんだ・・・。魔術で作ってくれたんだよ・・・」
「え！？魔術使えんの！？」
「うん」
「素質があったからね・・・。静かに研究したいって言うから小屋を貸したんだ・・・」
「この小屋ってマイケルの小屋なんだ・・・」
「帰す魔方陣はー、完成したのー？」
「まだだよ・・・。まぁ・・・、もう少し待ってよ・・・」